根岸俊雄の住まいづくり入門 -175ページ目

町の小さなギャラリー

第09回 [H17('05)/06/29]「環境計画論」:(講師)根岸俊雄
:地域の人々が交流する「コミュニティー・ギャラリー」
■地域文化活動の場となる民間コミュニティー施設づくりを学ぶ
★配付資料
・「童話館」(A4で3枚)
・「松本教室 土間ギャラリー」(A4で3枚)
・「染織ギャラリー」(A4で1枚)
・授業レジメ(本紙1枚)
★「コミュニティー・ギャラリー」の計画と手法を学ぶ
○「童話館」:画廊 + 児童文庫 + 喫茶店 + 薬局
・画   廊:「田島征彦・征三展」、「丸木位里・俊展」、・・・
・児童文庫:本の貸し出し、読み聞かせ、紙芝居、「いばらぎ子供文庫の会」
・喫 茶 店:42席、切花、中庭、絵、音楽、絵本、ミニコミ誌
・薬   局:家業(薬局、調剤室、事務室は「土浦の自然を守る会」事務局)

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○「松本教室 土間ギャラリー」:土間ギャラリー + 音楽室 + 学習塾 
・土間ギャラリー:展覧会、所蔵品展示、バザー、ディスプレイ、おもてなし席

・音 楽室:ピアノとマリンバ教室、練習スタジオ、パーティー会場 
・学 習塾:家業(子供のための4教室、大人のための生涯学習教室)

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○「染織ギャラリー」:ギャラリー + 貸席 + カフェ + 工房
・ギャラリー:染織常設展示、企画展覧会
・貸    席:茶道教室、着付け教室、打ち合わせ席、臨時ギャラリー&カフェ席
・カ  フェ:家業(常設10席+臨時16席)
・工    房:染め織(デザイン、織り機、糸車、染色場、資料)

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ゼミ:外国の日本女性建築家

第10回(H17/06/29)「環境デザイン・ゼミ」
:「オランダ建築家 吉良森子」に学ぶ

■環境デザイン実践者の生き方に学ぶ
★ビデオ上映
・「オランダ建築家 吉良森子」

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★感想
〇仕事の特徴
・空間のつなぎ方が日本人独特
・それがオランダで人気を博す
・オランダの古い建物に独特のアイディアを注入
・別な文化圏でのリフォームという課題に挑戦
・伝統的な古い外観の内部にしっかりとした空間を構築
・時代の中で残す物は残しながら、なおかつ自分を表現
〇仕事の態度
・誇りを持っている
・しっかりとした意見を持っている
・こだわり、妥協しない、納得するまでやる
〇生き方
・外国のオランダでしかも女性、すごい
・生活をしっかりと楽しんでいる

庭の四季を楽しむ-3

■5つ庭の家
○5つ庭のいろいろ
次は敷地の様々な場所に様々な庭をつくった「5つ庭の家」の例です。
その5つの庭とは、駐車場庭、中庭、茶庭、屋上庭園、室内庭などです。
その他おまけにミョウガ畑もあります。
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○駐車場庭
駐車場はタイル貼りで、玄関へのアプローチを兼ねています。

どこが庭かといいますと、上部がパーゴラになっているからです。
バラが一面に枝を広げ緑の葉をいっぱい茂らせて駐車場を覆います。
黄色い花もところどころ顔を出しています。
立体的な庭なのです。
この場所は人付き合いの庭になっています。
隣近所の人達はパーゴラの下の立ち話で盛り上がり、そこに千葉のおばさんが行商に来たりもします。
またこのスペースは奥の主庭を見るための格好の場所にもなっています。
庭を見るための庭でもあるです。
○中庭
コの字型の建物に抱かれた中庭で、この家の主庭となります。
大きな松の木やその他が寄せ植えされています。
四季の変化を一番大きく表現する庭です。シンボル的庭です。
この庭は家のどの部屋からも何時でも見える庭です。
家族のみんながいつも同じものを見詰めるのです。
家族の心を一つに結びつける庭とでもいえましょうか。

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○屋上庭園
DK棟の屋根に屋上庭園をつくりました。
土は人工土壌で軽くなっています。
芝を貼り、ところどころにマリーゴールドを植えました。
ここからは下の中庭がよく見えます。
芝生の木製飛び石伝いに先の方に行きますと、そこには物干し場があります。 
○室内庭
夫婦室の前の室内に設けた庭です。

庭には土が入り池もあります。
縁側もあります。
完全な外部仕立ての庭になっています。
○茶庭
建物の裏手、茶室の前に、茶庭をつくりました。
小さな庭ですが、茶庭としての機能は一揃いあります。
短い路地、蹲(つくばい)、待合椅子、・・・・。

オママゴトのような楽しい遊びの庭です。

 

故郷:家の周り

太郎よ、君は大きな納屋は見てますよね。
その建物だけが唯一の古い建物です。


納屋は祖父が生前に建て替えたものです。
蔵は建てられなかったが納屋は建て替えた、というのが誇りでした。
祖父は、放蕩した跡取りの代わりに、娘婿にきた人間です。
借金を返すので精一杯だったのです。

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納屋への穀物搬入、中での脱穀作業、またいつもは子供は遊び場です。
敷地の中には他にもいろんなものがありました。
まず便所が別棟、鳥小屋や豚小屋、それに氏神様もありました。


井戸もありました。
隣近所の人たちがもらい水に来ました。
井戸端コミュニケーションで、一種の社交場でした。
そこでの会話を聞くことはたいへん楽しいことでした。


正月準備の年末には祖父を手伝いました。
松の枝に切り紙を付けたものを、屋敷のいろんなところに供えるのです。
そういえば、クリスマス飾りをしたことも思い出しました。
同居の叔母の命令で蓑山にモミの木を探しに兄弟で行きました。


家のすぐ周りは土の庭で、作業する庭です。
穀物を干したりした時は、雨がたいへんで、大急ぎで取り込みました。、
また何年かにいっぺんの醤油づくりや薪づくりは一大イベントでした。

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その先は緑の庭でした。
年末に松の葉の手入れを手伝うとミカンがごほうびだった気がします。
小さな四角の池では金魚が数匹泳ぎ、ホテイアオイも浮いていました。
庭はだんだんと畑になって続いて行きます。
その境にある小道を他人が通って行くこともありました。


小道の脇には茶の木が植えられていて、自家用の茶を作っていました。
茶の木の根元は陽だまりでそこに栗の実を埋めました。
今では大きな栗の木に成長しましたが、味はどうもよくないようです。


私は心地よい場所をたくさん体験しました。
いわば、幼くして「場所性に目覚めた」のです。
これは環境デザインするに当たってたいへん重要な資質だと思います。

庭の四季を楽しむ-2

■一坪庭の家
○狭小住宅における庭への執念
三軒長屋の真ん中を建て替えた家の庭です。
両隣に共有していた柱を提供し、残ったわずかな敷地に3階建てを新築しました。
建物長さは7間(12.7m)巾あるのですが、巾はなんと2間弱(3.2m)です。
その建物の真ん中に執念で1畳強(1.8㎡)の坪庭をつくりました。
この庭はいくらなんでも狭すぎますので、2階、3階と上に行くに従って広がるようにつくってあります。

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○坪庭のいろいろな役目
何でこんな状況で無理やり庭をつくったか、ということです。
この家の場合には次のような切実な要求があったです。

狭小住宅にあっては、庭の自然というよりは戸外空間が身近に欲しいということなのです。
戸外空間、この場合は坪庭は、次のような環境をもたらしてくれからです。
小さい坪庭でも、風が入ります、光が入ります、空が見えます、そして緑もあります。
このようなものは都市部の住宅においてはたいへん貴重なものなのです。
○前庭もあります。
この家には坪庭の他、約1坪(3.3㎡)の前庭もあります。
玄関前のスペースなので、人付き合いの庭とでも言うことができるでしょう。
またそこには背が高く細長い木が一本植わっています。
街並みに配慮した庭でもあるのです。

リフォーム・セミナー

来週の土曜日(07/02)、リフォーム・セミナーで講演します。

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・「住宅リフォームフェア 2005 in 東京」
・東京ビッグサイト、7月1日(金)・2日(土)
・「あなたはどっち? 夢のリフォームVS堅実リフォーム 
 予算別シミュレーション」 7月2日(土)の13:20~14:10
・入場無料
・詳細はホームページを:http://www.the-reform.co.jp/fair.html

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(読売新聞06/23夕刊)

庭の四季を楽しむ-1

住まいの周りには庭があるのが理想です。

庭がないと住まいは完全ではありません。
私たちの「庭にあこがれる心」、「庭に託す気持ち」は尋常ではありません。
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■庭にあこがれる心
○庭が欲しい
日本の家には庭が不可欠です。

この国の気候風土、生活スタイルが庭を求めるからです。
私たちのDNAにはそれが刻み込まれています。
ですから日本の家は庭に囲われていないと不満足なのです。
私たちは自分の住まいに「庭が欲しい」のです。
○がんばって庭をつくろう
といっても都市部にあってはなかなかまとまった広さの庭は確保出来ません。
したがって建物まわりに様々に工夫して小さな庭を確保しようとするのです。
ではそんな例を次に見ていくことにしましょう。

人付き合いを楽しむ-4

■駐車場コミュニケーション

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○周辺住宅とのコミュニケーションも必要
・住宅地内のヒューマンコンタクトと同様に重要なのは、周辺地域の人々とのコミュニケーションです。
・駐車場を周辺住民とのヒューマンコンタクトの契機づくりに利用したらどうでしょうか。
・そのための装置として、車庫内を工房化することを提案します。
・図で掲げたものは、ある集合住宅地計画で提案した駐車場の例です。

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○車庫を周辺地域への情報発信基地に
・駐車場の前にはディスプレイ・スペースを設け、ここで季節毎の飾りもの(七夕、クリスマス、門松等)や住宅地内イベントの演出コーナー(バザーの旗竿広告等)とします。
・車庫内には、工作コーナーや軽キッチンを設け、演出物の工作や、イベント時にはガレージパーティーなども可能です。

小学校の環境計画

第08回 [H17('05)/06/22]  「環境計画論」:(講師)根岸俊雄
:学ぶ環境「皆野小学校計画」

■小学校の環境計画を学ぶ
★配付資料
・「皆野小学校校舎建築プロポーザルコンペティション」(A4で5枚)
・授業レジメ(本紙1枚)

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★学ぶ環境の計画と実現の手法を学ぶ
△小学校づくりの3つの理念
①学校は、「学ぶ、遊ぶ、食べる」場所
・自分から学習が出来る、素足で遊び回れる、楽しい食事空間がある
②「街」の「家」みたいな校舎
・街路みたい廊下、街中の施設みたいな空間、家みたいな教室
③光と風の学校
・学校は「光と風の通り道」
・どこにでも「光」が差し込み「風」がそよぎ込む
・五感で感じられる学校(土、水、草、木、風、光、音と親しむ)
△新しい学習スタイルのための3つのスペース
・クラススペース→オープンスペース→多目的スペースという段階構成
①クラススペースは、オープンスペースや多目的スペースに開放的に連絡
②オープンスペースは、同学年の二つのクラスが利用出来るスペース
③多目的スペースは、三つの学年が利用出来るスペース

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住いづくり実務の見学

第10回(H17/06/20)「環境デザイン・ゼミ」:住いづくり実務の見学

■見学の概要
○見学場所
・「トヨタホーム東京㈱」http://www.toyotahome-tokyo.com/
・大妻女子大から徒歩5分、1階受付前に3時集合
○見学内容
・ハウスメーカーにおける住いづくり実務を見学
■見学スケデュール
15:00~15:30 インテリアコーディネーターの実務
15:30~16:00  家づくりの考え方・取り組み方
16:00~16:30 CAD入力作業、DVD作成作業
16:30~17:00  大妻女子大先輩の会社体験談、その他

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■感想、御礼
○感想
・ゼミ生の見学レポートのコピーを提供させて頂きます
○御礼
・以下の方々に感謝です
  インテリアコーディネーター:小杉和世さん
  大妻女子大先輩社員:新見多視子さん
    人材開発室長:大橋敬行さん
    CS推進部次長:田倉重雄さん
  トヨタホーム㈱:吉田一義さん